取材録・御用邸

御用邸とはそもそも、天皇陛下の別荘として扱われ、その後、記念公園として公共に見せることができるようになった場所である。できれば一度だけ訪れてみるのも良いだろう。
こちらに向かった私達の理由はもちろん某アニメのメインキャラクターの一人の家のモデルとなっていると言われていた御用邸で行ったインタビューだ。
そのインタビューに快く受けてくださったのは御用邸の副所長である吉澤氏である。たくさんのことを話してくれた有難いお方だ。

 

・ アニメについて思う事はありますか?

「御用邸の会議がありまして、沼津市がこういう形で売り出しているのを教えてもらっていました。それで初めてアニメの事を知りました」

その時吉澤氏はまだ深夜放送だとは知らなかったようである。彼はアニメなので、子供も見る早い時間だと思っていたので、番組表で探してみたところ見つけることができなかった。のちに受付の係員に聞いて、深夜番組だと知って驚いたそうだ。
また、一作目を知らなかったので、若い職員に『例のアニメ』っていう物語はどんなものなのっていうことを聞いたそうだ。

「松月さんや安田屋さんとアニメで繋がるとは思っていなかった」とも言っていた。アニメを通しての繋がりにも驚いていたようだった。

逆にこう質問された

「原作を作った方は沼津出身なのでしょうか?」

なぜそう思ったのか。それはこの沼津をモデルにした理由がわからないそうだ。もちろん、舞台にしてくれたのはありがたいが、私達もまたそう思ったことがあるので共感できた。それほど、忠実(多少美化されているが)に再現されているのだ。
また、年に1度開催される紅白歌番組にて前作の話をすると驚く様子を見せた。紅白を見ていたけれども、好きな歌手だけしかみていなかったそうだ。まぁ、アニメのことが好きでなければ、見ようとは思わないだろう。
彼は調べて、ラッピングバスの事も知ったようで、アニメの凄さに関心と驚きを隠せない様子だった。

 

・ 吉澤氏にとっての御用邸の見所

吉澤氏にとってのオススメは西附属邸だそうだ。当初、天皇の別邸であった本邸は終戦の1ヶ月前に大空襲によって、狙い撃ちされたように焼夷弾を落とされ、焼けてしまい今は残っていない。その代わりに西附属邸が別邸となり、東附属邸は昭和天皇や彼のご兄弟の学問所となった。

「本邸が残っていないのがとても残念です」と彼は語った。

「もしまだ、本邸が残っていれば、もっとこう皆さんに来場して見て頂きたい施設になっていたでしょう」

本邸は15万6千平方メートル、4万7千坪、東京ドームの3.3個分の広さがあったそうだ。それに本邸は部屋が95部屋あり、全て平屋だったのですごく広かったそうだ。明治時代には珍しい洋館もあった。本当に惜しい。

 

・ 近頃の変化は?

「ご家族連れの方がいらっしゃったんですよ。息子(男子中学生)さんが『ぜひとも自宅のモデルになっている東邸を見たい』と言っていました」

案内はしたけれども、建物の中に入ると、息子さんは家族に説明をしていたそうだ。ファンが家族連れで来る事と中学生が家族に説明していた事に対してとても驚いていた。
アニメとは関係ないが某スマホゲームの方で問題が発生している。

「夜間でもこの周りをうろうろしている若者が多くなっています」

警備員が夜間にパトロールしていると、中に入ってこようとする人がいた。「ここは朝九時から開くから、そうなったら入ってくれ」と注意。
皆さんもマナーには気を付けて(>―<)/

 

・ 現在の取り組み

「防空壕の中を整備して、お客様をご案内できればと思っています」

御用邸にも防空壕は存在しており、陛下用とお付きの人用がある。しかし、防空壕は国のものであり、まだ開いていない。
難しいのは、御用邸は偉い順に国、沼津市役所、管理政府と言う構成になっており、吉澤氏は市の職員ではなく、吉澤氏はその下の管理政府の社員の一人である。国の建物等は市役所担当だが、土地自体は国のものなのだ。市役所にも防空壕の鍵はまだ渡されていない。なので、飛び越えて、こちらがお願いというのは今のところ無理があるそうだ。
防空壕が開かれたらまた学ぶべき事が増えるのではないだろうか?それに未だにほとんどの者が見た事がない御用邸の防空壕の中だ。興味を惹かないわけがない。
私達が生きている間に、ぜひとも中が見られるようになって欲しいものだ。

 

・ 形態の維持

外国の100年、200年の建物は若干手直ししながら、昔の愛着をもって利用している。
どうやら、御用邸も少し似ているようだ。

「よくいうじゃないですか。『風通しが悪いと痛みがはやい』と」

日本の建築、とくに木造っていうのは中の人間の呼吸に呼応する。
窓を閉め切っていると、湿気が多くなり、痛みが出る。人間が見ていて、電球でも切れたらすぐ交換したり、障子も破れていたら張り替えたりするなどをして形態を保つ。海外と違うのは御用邸の場合は『修理』というところだろう。いずれにせよ、両者とも人の手によって今も形態を保っているのだ。
もちろん、手直しもしている。国の歴史上、学術上価値の高いものに付けられる名勝指定を受けている。なので、大げさに変えられず、今後どこを手直しするか考えているようだ。

 

・ こういうのがよろしくない

毎年のごとく、御用邸の近くにある海が海水浴場になる。そして、隣に学習院の保養所があり、その前が海水浴場。今年のシーズンは終わったが、8月の第一周目までは学習院の方もそこの保養所で、合宿みたいに一年生から三年生が交互に来て泳いでいる。
そういうのもあり、若者が夜、花火をする。

「花火をするのは良いのですが、マナーをもうちょっと守って欲しいです」

前は花火を御用邸の方に向けてやっていた若者がいた。それで芝生を焼いたことがある。それ以来巡回を強化している。10時までと看板に書いてあるのだが、それも無視してしまっているようだ。
そして、ご近所に自宅がある方々が流木を海岸清掃といってまとめている。それはなるべく火事にならないように配慮したものなのだろう。しかし、どこにでもいるもので夕方あたり何者かが故意に、流木に火をつけた。

「だから毎日、警備員が点検しているのですけども」

警備員がフェンス越しで、花火をフェンスの方に向けないように注意をしているが、当の警備員は「少し怖い」と思っていることを吉澤氏は苦笑しながら話してくれた。御用邸の方で火事になったり、故意に火をつけたりされる危険性もある。それ以外に、注意したことにより、相手が逆上し、ナイフで刺されてしまう可能性もある物騒な世の中なのであまり強く言えないようだ。
夜中に騒がれることも、その様な物騒なこともあるのは本当にゾッとする。できれば、周りの迷惑を考えて欲しいし、自分の憂さ晴らしのためだけに人や歴史ある建物を危険にさらさないで欲しいものだ。

 

結果
御用邸はアニメの経済効果などに対して驚きを隠せないようだった。アニメ関連のマナーの問題はない。しかし、毎年のごとく迷惑をかける人間はいるようだ。

 

取材後、
我々は吉澤さんのご厚意により、東附属邸の中と周りを見せて頂いた。

取材録・安田屋旅館

9/15 11:00
我々取材班のKとTの両名が向かったのは、老舗旅館としても名高い安田屋旅館。
アニメ放送も終盤に差し掛かり、忙しい中の準備時間。
そんな時間に我々を快く迎えてくれたのは若女将の安田麻紀さん。
Kの変に堅苦しい挨拶もそこそこに、取材が開始された。

 

☆アニメについて

・制作側からのオファー

安田さん
少なくとも今年ではないですね。
それより前に、旦那の方にあちらから≪舞台にさせてもらいたい≫と話が来たので、≪使ってもいいですよ≫って感じに返したと聞いています。
その時に人気アニメだとか、そういうことは知りませんでしたね

 

・アニメに登場したことについての感想など

安田さん
ドラマ、映画、CMなどでここら辺が使われることは結構あったんですけど、アニメファンの人たちが一、二か月先までも押し寄せることは頭になくて。
最初はアニメ放送から終了までの間だけなのかなってイメージしてたのですけど、七月のアニメ放送前、六月ごろからちらほらとアニメファンだよって感じのお客さんが増えてきてて、九月以降も予約が多くなってます。
アニメ放送が終わってから全部回るつもりだっていう人の話は聞くので、おそらく今年いっぱいは足が絶えないのではないかなと思いますね。
でも沼津という土地を若い人たちに知っていただけて、来ていただけたということは活性化にもつながるので、ありがたく思っています

 

・来年以降の見解

来年以降もお客さんは絶えないよ。って声と、来年以降はお客さんが減るよ。って両方の声があってですね。
どのように対応していったらいいのかということには悩んでいてですね、スタッフの増員などとか。
今までに何かの舞台になってこれだけ人が来てくれる。という前例がないので、ウチだけじゃないけれども対応に困っているところが多いと思います

 

☆ファンとの関係

・ファンの宿泊客について

安田さん
皆さんネットにすぐ口コミを書き込んでくれたり写真を挙げてくれますから、私たちではなかなかできないことをしてくれて、とても助かっています。
何を書かれているか、それが時々怖くなる時もありますけれども(笑)
でも、その分気が引き締まりますし、いいことを書いてもらえるようにお客さん一人一人にしっかり対応していきたいです

 

・ファンに関する不安他

安田さん
個人的には、感じることはそこまでないです。
ただ、ウチの息子も通っている長井崎中学校の方で、敷地に入っちゃう人がいたり、通っている子供が怖がってしまっているなどという話はちょっとずつ聞きます。
もちろんアニメに出てきているそこを撮りたい、行きたいっていうファンの方々の気持ちもわからないわけではないです。
でも、こういうことがあると子供を送り出す親としては少し不安になりますね。

他には……ウチに泊まっている一般のお客さんの中でも家族連れの方々とかは、隣の部屋が男の子ばかりで――見た目がいかついわけではないから『そういう怖さ』ではないけれども、圧迫感というか、男の子ばかりの場所で≪わたしたちだけ女だったことが少し怖かった≫という意見をいただくこともありますね。
これについては、最近HPの最新情報で≪こちらアニメの舞台になっています、アニメのファンの方でにぎわっています≫といった旨を、アニメファンではないお客さん向けにお知らせしています。
これを見たうえで、≪じゃあこの時期は外そう≫とか、≪それでも泊まりたい≫と理解を得られるように取り組んでますね。

あとは、地域のおじいさんなども、急に若い人たちが訪れるようになったことを少し怖く感じている人もいるのかなと。
全然怖いことをする人たちじゃないとわかってしまえば大丈夫なんですけれども、今までが若い子たちでにぎわうような街ではなかったので、そのギャップに戸惑う人たちがいるのかなということは感じますね

 

・ファンがしてくれたこと

安田さん
海辺のゴミ拾いをしてくれるファンの子たちがいますよね。
聖地を綺麗にしようという運動をしてくれていたりする人たち。
家族連れの方たちが綺麗な海で泳げたりしてくれたのもこういったファンの方たちによるおかげですね。
なので正直、悪いことや困ったことなどよりは、いいことをしてくれた方が多いし、大きいですよね。悪いことはあんまり目につかないです。
これからもそんな人たちだけでいてくれればうれしいんですけれども、中にはハメを外す人たちもいるらしいので避けてほしいなぁとは思います

 

ここで、営業回り中であった三津郵便局局長 山下清文さんが偶然にも来店。
彼は先日の三ノ浦総合案内所さんや松月さんでの取材中にも偶然遭遇している。
ここから先、我々は彼を交えて取材を行った。

 

☆山下さんについて

・取材時にお会いするのもこれで三度目ですね

安田さん
まぁ、会うの三度目なの?

山下さん
そうね、案内所の時は俺が大村さんに呼び出されてね、着いたときは取材は終わっていたころだけど。二回目が松月で、※卯月君を連れてた時に彼ら(K、T)がいてね
※静岡県六区の衆議院議員『勝俣孝明』氏の秘書、『卯月輝』氏のこと。

安田さん
そうなの……頼りになるんですよ、この人。ここの住民で一番この地域のことが好きな人だと思う

山下さん
いやぁ、ただアニメが好きなのかもよ?

 

一同から笑いが巻き起こったところで再びファンについての話題へ。

 

☆ファンとの関係2

安田さん
悪いことしていく人は今のところいないと思います。むしろね、忘年会シーズンで変な酔い方して障子壊して行くだのね、そんなことするひともね?

(山下さんを見つつ)

山下さん
そうだね、うん、酔って畳に吐いたりとかしないもんね

(目を反らしながら)
※山下さんが下手人だそうだ

 

安田さん
そういうことしていく人は見ないですからね。
マナーよくご飯を食べて、無茶な酔い方もしないし。
あるときは、予約当時が未成年だったお客さんがいて、法律の問題でお酒の提供ができないって話だったのだけど。当日≪予約当時は未成年だったけれども二十歳になりました≫って言われまして。
こちらとしても確認しなければならないので、≪身分証明書を見せてほしい≫とお願いしたところ、わざわざ宴会所から部屋に身分証取りに行ってくれたんです。
普通なら逆ギレしちゃうような子がいると思うんですけど、そんなこともなく快く答えてくれるような子たちなんです

 

☆沼津について

・おすすめのスポットがあれば教えてください

安田さん
大瀬は行った方がいいよね。※神池――シンイケ? 読み方どっちだっけ

※かみいけと読むのが正解。

 

安田さん
淡水の池なの。すぐ隣が海なのにそこは淡水で、パワースポットにもなっているんです

※大瀬崎は『沼津の宝百選』という沼津の見どころにも選ばれている場所で、G’sマガジンにも一度大瀬崎らしき場所が使用されているそうな。

山下さん
あとは気多(キタ)神社とか。気多神社はそうね、よく※ドラマの撮影をしているの。昔は寅さんが撮影してたらしいよ

※つい最近だと竹内涼真氏主演の『時をかける少女』がある。

安田さん
あと長浜城跡は絶対行った方がいい!ここに来たなら一回登ってほしいですね

 

山下さん
アニメにも出たしね、一番上のところ。あとは……※発端丈山かな? あれもあそこから撮った写真が使われているらしいし。あとは重須に湧水があるところがあった

※1stシングルのMVにて登場。複数ある登山道のうち特定の場所から登らなければこの絵は撮影できないそうだ。

 

☆安田屋旅館の取り組み

・今後について

安田さん
今後なにやってくかについては――全く考えてないです。今までのイベントなら、年に三回欠かさずやっています。
秋は落語、もしくは三味線を十年くらいずっと続けていて、文化の日か前後か。
春は春で、今まではお雛祭りということでやってて、来年はまだちょっと考えています。
これがウチの二大イベントですね。
あとは太宰さんが『斜陽』を書いた場所として有名なので、太宰治生誕祭というものを毎年誕生日前後の日曜日にやっています。
太宰さんのファンは多いので毎年来てくれる人がいるのでありがたいです。

……新しいことなにしたらいいかね?
山下さん
アニメファンの集いで、年に一回だけとかでやってみてもいいんじゃない?
安田さん
……やっちゃう?

 

・日帰り入浴について

安田さん
昔からやってるんですよね。温泉がもともとはうちだけだったんです。
なかなかこの地域で温泉に入れなくて、だからたぶん日帰り入浴を始めたんだと思います。
今では松濤館さんにも温泉がありますね

 

☆最後に

・このレポートを見てくれる人たちにメッセージだけでも……

山下さん
≪私も……内浦のファンなんで、私に会いに来てね≫とか――ダメ?

安田さん
意味が分からない! ダメだよそれ絶対!
気を取り直してリテイク
安田さん
沼津にお越しの際は、あったかい人がたくさんいる内浦に寄って行ってください!

 

安田さん、山下さん、ありがとうございました!

三ノ浦総合案内所

三の浦総合案内所は沼津市長浜にある観光案内の施設だ。
普段はみかん狩りや海水浴に関する情報を観光客に提供している。
だが、ここ最近は内浦がラブライブサンシャインの舞台となった為にちょっとした盛り上がりを見せている!

ここでは現地の皆さんの協力の下、取材して得た内容を紹介する。
内浦観光を行う際にちょっとだけでも参考にしていただけると有難い。

取材に協力して下さったのは……
案内所職員の大村さん(写真中央右)
浦の星研究会のせんぷーきさん(右二番目)
中日新聞社の熊崎記者(左二番目)

他写っているのは関係者の方々である。

 

 

 

♦現地の声(率直な感想や気になった事)

 案内所職員の大村さん
正直それほど大変なことになるとは思っていなかったので、すごい人数となって戸惑っています。
元々知識が無かったから、本などで知ることによりファンの方とお話ができるようになりました。

若い人の来客が増えましたね。
最初はファンの若い人々を、地域の人々は「なんだろう」と不審に思っているようでしたが徐々に「若い人が増えたね」と喜ぶようになりましたよ。

トンネルを抜けた向こう側の西浦の人々が、若い来客を羨むようになりましたね。

これだけの人が集まるとゴミが増えると考えられていたのですが、実際にはゴミがほとんどないんですよ!

ファンの人々が気がついたことは進んでやってくれていて、思い立って一人でゴミ拾いを行っている人もいます。


せんぷーきさん
オタクって何かと虐げられてるじゃないですか(笑)
こういう時ぐらいはちゃんとしておかないとっていうのがあるんじゃないですかね(苦笑)


K

少々自虐的な話になってしまいますが、そういうのもあるかもしれませんね(苦笑)


大村さん
他には…近頃は車が多いように感じますね。
せんぷーきさん
そういえば長井崎中学校まで車で行った方が、そのまま車を停めてしまってバスが通りにくかったらしいですね。


大村さん
ええ。でも問題を起こさないのであれば、いつ来ても気にしないですよ!

       

 ♦いつ頃から看板が設置されたのか

 K
表の方に看板がありますが、それはいつ頃から設置されたのですか?


大村さん
みかんのシーズンの11月頃ですね。11月9日には看板は出来ていました。


せんぷーきさん
僕は11月頃にここへ来たのですが、その時はまだ看板が無かったですねー。
この時はちょうどみかん狩りのシーズンだったので「みかん狩り行こうぜー」ということでみかん狩りに来ていました。


大村さん
12月頃からは、何もないのはお客さんが可哀想なので机とノートを外に出すようになりました。
このように徐々に物(グッズ)が増えて、看板が大きくなっていきました。


せんぷーきさん
そうですねー。こんな感じでどんどん増えていった感じです。

             

 ♦アニメ舞台化以前の客層

熊崎記者
アニメで話題になる前はどういった人々が
ここを訪れていましたか?
やはり年配の方が多かったりしますか?


大村さん
そうですね~。釣り人や登山客などが大半でした。他は年配の方がほとんどですね。

♦地元の人との交流はあるのか?

 熊崎記者
地元の人とアニメファンの交流ってあるんですか?痛車の交流イベントみたいな感じで…。


大村さん
沼津で祭りがあった時、内浦側も花火を打ち上げましたよ。

 

 

熊崎記者
なぜ当アニメがここまで人気になったと思いますか?


せんぷーきさん
この作品の前身となる作品が紅白に出るほどのモンスターコンテンツになっていたというのがあるんじゃないですかね。で、この作品のファンだけでなく前作のファンがついて来ていますからね。
また今回は場所が明確にどこかが分かっていたのも大きいと思います!
前作は舞台が「秋葉原」というだけで終わりでしたから、それに比べたら前進したかな?と思いますよ。

 

♦ここは第二の故郷ですか?


熊崎記者
せんぷーきさんは、ここによく来られているという事ですが内浦は第二の故郷と言った感じですか?


せんぷーきさん
そうですねー。僕、名古屋から来てるんですよ!
最初はアニメの舞台云々じゃなくて、「みかん狩り行こうぜー」から始まってます。
もう月に3回は来てます。もう少ししたら1年に1か月くらい居る計算になるんじゃないですかね
ここの地元の人に言われましたよー。「ここの人ですかー?よく見るんですけど」って。
こう答えました。「違いまーす。よくいるけど違いまーす」ってね(笑)

 

♦内浦の見どころは?(廻り方など)

★長浜城(城址) … 戦国時代に後北条氏が所有していた城。

★三津シーパラダイス … ファミリー向きの水族館。

★レストラン『海のステージ』…スカンジナビア号の資料館あり。

★旧三津坂隧道 … 太宰治ゆかりの地。彼の著作『斜陽』に登場する。

★みかん狩り … 冬のみかんが特にオススメ!

10月頃から案内所前で販売しているみかんは安くてオススメ。

※寿太郎みかんは2月頃から販売。

  

♦観光客のアンケート結果(感想)一例

■冬場は富士山がより綺麗に見える

■海が綺麗

■食事が良い

  

耳より情報 … 大瀬崎近辺を旅する際は戸田(へだ)交通(タクシー)がオススメ!

お昼ご飯はいけす屋さんで海鮮丼を楽しもう!

※状況提供:大村さん
せんぷーきさん

東海バス

私達はバス事業所の方にも取材を行った。
なぜなら、ラブライブサンシャインが沼津の聖地になるということはバスの利用客が増えるということである。
また、主人公の千歌達の交通手段としても扱われているからでもある。

そんな私達のインタビューに株式会社東海バスオレンジシャトルの取締役杉山善一氏(写真あり)
と副支配人の清水修氏が答えてくれた。

 

 

・アニメについての感想やこんな事があってよかったと言うことはあるか?

杉山氏
アニメについては前もって教えてもらっていました。
世界に二百万人のファンがいると聞いていたので、地元の人以外にもファンや海外のお客さんが増えてきました。
先日も中国の親子連れの人達が聖地巡りをして写真を撮ったり、いくつかの舞台になったポイント(例:松月等)に行っていました

清水氏
最初話を頂いた時にはこれほどまで盛り上がるとか、そういったファンの方が沼津にこれだけ来てくれるということに半信半疑なところもあって、正直言って想像していませんでした。
実際に始まってみたら日本でも遠くの方や海外の方も沼津にきて頂いて、これだけこのアニメに熱烈なファンが世界中にいることに正直いってびっくりしています

 

どちらも好意的な意見であり、当初の予想以上の人気に驚いていた。ニュースではアニメに対して辛辣なコメントやあまり良くないイメージがあるようだが、実際は違うようだ。

・今の決定的な変化
メリット

  1. ラッピングバス以外にも聖地巡りで内浦方面に行くバスが1時間に二本ずつしかないため、そのバスの利用客は増えている。
  1. 聖地巡りの場所の問い合わせがあり、その場所の案内と合わせて、どのバスに乗るかも説明しているそうだ。
  1. 沼津駅の8番線のポールにアニメのものが貼ってある。
  1. 淡島マリンパークさんと三津シーパラダイスのバスと入園料のセット券(淡島マリンパークは600円くらい安くなっている)の利用者がすごく増えている。

「おそらく淡島さんも聖地巡礼の一つになったり、船がラッピングしている関係で非常に訪れる人が多くなっています。
また、三津シーパラダイスも舞台の中の一つになっているのでそちらの関係でも非常に増えています」
と杉山氏は語る。

まだ放送されていない部分であっても情報がはいって、そこに訪れる人が増えているそうだ。
(例:淡島の淡島神社がアニメに出て、淡島神社はどこにありますかなどと問い合わせがきた)

 

  1. 今までは生活路線として使っていた人達がバスを足として買い物や病院、通勤、通学に使われていたところが、観光客が訪れる事によって、観光地としての点と点の聖地をつなぐ線の役割にもなっているそうだ。
  1. 清水氏は
    「SNSを見て来る方が増えてきています。また、アニメの関係のバスを運行することによってそれが検挙に現れています」
    と言っていた。
  1. 地元の人達にとっては、前はシャッターが降りていて、店舗として使っていないところが、今はシャッターを開けて、かき氷を売るなどの新しい商売をやっている。
    町が活気づいているので、地元の人達は歓迎している。

・デメリット
地元の年配の方は10時55分のバスに乗るつもりで、たまたま早めにきて、並んでいた。
最初だったので席に座れたが、他の地元の方が乗れない場合があった。
また、観光客によりバスの乗客が増え、身動きがとれないほどの状態になる場合もある。
それが「地元の方に不便をかけているのかな」と杉山氏は思っている。
アニメによる経済効果にもデメリットは存在する。しかし、それ以外にメリットが大きいのは無視できないだろう。
ちなみにだが、ファンのマナーが悪い等というものは一切聞かなかった。

 

  • 観光客への取り組み
  1. 杉山氏より

「アニメに会わせてラッピングバスを出して、外と中にサインをしてもらったり、江梨行きのバスは増発を出しています。地元の方達もお客さんが来る事によっていろんな商売したりと地元の人にとってはありがたいのではないかと思います」

  1. 東海バスの方では海外の観光客に対してのツアーはない。ツアーはないが、わかりやすいように乗り継ぎができるラッピングバスや聖地巡礼の場所にいける時刻表をお客さんの方に渡しているそうだ。
  1. ヘッド板に英語、中国語、日本語の三ヶ国語がある。
  1. 下の所に路線図を貼っており、自分達の今いるところのバス停がわかりやすいように赤で記している。
  1. ホームページでバスの案内やタイムテーブルの関係等を載せている。

・フリーパスはどうなのか?

一日乗り降りできるフリーパスという形では行っていない。
今はセット券(淡島マリンパークの入園料とバス、三津シーパラダイスの入園料とバス)があるためそちらをお勧めしている。
フリーパスはこれから一年を通してずっとお客さんが見込めるかどうかによって考えるつもりのようだ。

 

  • オススメ
  1. 来年の2月15日が東海自動車の創立100周年(ちなみに本社は木炭車という車から始めた。車体後部に設置した木炭ガス発生炉で、木炭を燃やしその際に発生する一酸化炭素を燃料に走る車である。詳しくはネットにて検索、検索!)になる。それにあたり、夢ちゃんバスというラッピングバスや伊豆半島のバスを運行する。
  1. 他にも沼津地区、三島地区、伊豆半島の各地区のハイキングコースを作り、そうした所をあるいてもらうイベント、淡島のセット券のようなものなどを作り、お客様方にご案内しているところだそうだ。

・読者の方へ

杉山氏より
「アニメの放送が第一回目の9月で終わると思いますのでぜひ、沼津の内浦を訪れた方は自然、特に海、それから食べるもの、宿等があったりして非常にいいところです。ぜひ来て頂いて、素晴らしい沼津の地域を旅の中で満喫して頂ければ良いのかなと思っています」

清水氏より
「今回のアニメに限らず、ここ数年、この沼津や三島、この辺の地区というのは今新しい観光スポットがどんどんできています。例えば沼津港の水族館だったり、三島の大吊り橋だったり、また沼津駅前のラクーン等、今この新しい感覚の観光スポットというのがどんどんできていています。我々も観光業なので、そこに出向き、実際に中心になって働いている方といろいろと話したり、仕事したりする機会があります。実際に取り仕切っている方は年齢的に若い方が多く、一生懸命やっています。この地域というのがどんどん変わっていくところにあるのではないでしょうか。これから、非常に魅力的な地域になると思いますので、ぜひ皆さんもできればバスを使ってこちらの地域を訪れて頂きたいです」

 

「歴史に関わる所や自然がたくさんあるのでまだまだいいのでこういうところをアピールしていくと魅力的な町になるのでは」とも思っているようだ。

取材録 あわしまマリンパーク

皆さんは静岡県沼津市の、あわしまマリンパークという水族館をご存じだろうか?

島の中にある独特な水族館で日本一と言われるカエル館を有している。また、魚に関する親切な案内が館内にあふれており、コスプレイベントなども行っている。盛り上げるのに工夫を惜しまない水族館であるから誰でも楽しめること間違いなしだろう!

実はこの水族館、ラブライブサンシャインの舞台になっていることから
大いに盛り上がりを見せている!
しかし我々はその実態を詳しくは知らなかった。
そこで、現地の職員さんはアニメの影響についてどのように思っているのか、それを知るべく我々は、9/17に取材を行った。

このレポートは当アニメ及び舞台となった地域に興味がある方にはぜひ読んで頂きたい。

 

取材に協力して下さった方……あわしまマリンパーク館長の伊藤裕さん

 

♦あわしまマリンパークがアニメの舞台になったことの感想

館長の伊藤さん:
中学校が高校に。安田屋さんが主人公の実家になっていたりしますね。
また、うちのカエル館がダイビングショップ、

淡島ホテルもキャラの家になっていたりしますね。


登場人物の9人のうち、2人がたまたま淡島に関わっていうということは、我々は後から知りました。
作っている人達がお客さんとして入場券を買って、事前に下見に来ているんだと思うんですよ。
そして、設定は下見をしていた中で決めたものではないですかね。

うちが『これはコンセプト(設定の)が違う』とかいう立場ではないと思っているし、そのような話をされたこともないです。
私としては、アニメの中で使われた情景がベストだったというだけだと思っています。
これまでテーマパークとしての運営は一生懸命やってきましたが、何もドラマやアニメの舞台になろうと意識してやってきたわけではないですね。
ただ、テーマパークをやっていて良かったと思いましたよ。

アニメの影響でお客さんが増えたことは嬉しいですし、アニメには感謝しています。
ただ大変なこともあって、雇用を増やさなければならなかったり、在庫を切らさないようにしなければいけません。

コラボ限定チケットが切れたり、クリアファイルが完売することがありました。
1年もつと考えていたものが2か月で完売したんです。
何も計算していなかったわけではないのですが、アニメの影響はその想像をはるかに超えてしまったんですね。

物を欠品させてしまうというのは良いことではないので、これは反省点としています

 

♦聖地巡礼について

伊藤さん
「聖地巡礼」という言葉は新しいけど、昔から小説の舞台になった場所へ人は足を運んでたね。
だからこれは今になって始まったものじゃなくて、前からある文化だよね。
アニメも徐々にこうなってきたのだと実感してます。

昔のアニメはドラえもんとかコナンとか、想像はつくけど舞台となった街については明言してなかったですね。
それが今は「地名」を大々的に打ち出すようになってきましたから時代の流れだと思います。

この人気は場所だけじゃなくてそのアニメが面白いからじゃないですか?
国民的アイドルになってきているから、皆アイドルの聖地行きたくなるよね。

ラブライブの聖地巡礼で経済効果は100%ありますよ!!

 

♦客層について変化は感じられるか

伊藤さん
普段なら晴れの時に80~100人しか来ないけれども、今は天気が悪い日も人が多く来てますよ。
普段のお客さんにアニメのファン層が加わってるような実感を受けます。
おかげで、元々は年配の方がほとんどだった淡島ホテルにも若い層が増えました。

ホテルに泊まられるお客さんは基本、外へ出てこないんですね。
中で楽しめるコンセプトとなっていて、だいたいは室内で美味しい食事をされて、美術品を楽しんでゆっくりされています。

しかしこの頃は、変化が見られましてホテルのお客さんも外に出て、淡島マリンパークを楽しんでいますね!

 

♦楽しんでもらうための工夫について 

伊藤さん
ファンの方が沢山来ているから、楽しんでもらおうと、テンションが上がることをしようとしてきました。
要は遊び心ですね!

最初はラッピング船について正直悩みました。
もしかしてつまんなくなるかな~という不安も思ったんですが、アニメを知らない方にも「これは何のキャラクターだろう?」とか「ここがこのアニメの舞台なんだ~」と興味を持ってもらえるかな~と考え直しました。

他には大々的には宣伝してませんがアニメではダイビングショップになっているカエル館で従業員がダイビングショップのキャラと同じウェットスーツ姿にしたり。これについては「似たようなスーツがあるんだー」と気づいてくれる人がいればいいかなーと思いますね。

つまりこういった形で、自分たちも楽しみながらファンの方の為に面白くしようとしてます。

 

♦観光客のマナー現状について

伊藤さん:ファンの方がマナーを守ってくれているから、こちら側 (舞台となった側)もマナーを守ろうと思っています。

気になることは、船が着いた時にお客さんの動きが止まってしまう事ですかね!
乗りのお客さんが待っているので、写真を撮りたいのは分かりますが、船から早く降りてほしいことですね。
ですが、撮りたいという人の気持ちもよく分かりますよ、だってお客さん急いで撮って、急いで降りてくれていますもん
安全を確保しなくちゃいけないから、「船に乗ってる間に撮ってもいいんだよ」とも
とてもじゃないですが言えませんからね。

怠慢でゆっくりとしているような人については、現状はまだ見かけていませんけれども。
いずれ現れるかもしれないこれも含めて、乗り降りについてはどうしようか、皆で考えていますよ。

ゴミが増えるんじゃないのかと言われていたのですが
これは他の聖地となった観光地が巡礼客によって荒れてしまったといったネットの情報が先に来ていたことによる懸念なんですよ。
でもゴミのマナーで困るといったことは一切ありませんでした!
お客さんが増えているから、勿論ゴミの量は増えているんだけど
ポイ捨てなどの良くない捨て方は今のところないですね。

寧ろゴミを拾ってくれる人もいたり、いっぱいになったゴミ箱からスタッフの元に持ってきてくれるファンの人たちがいるのですがね
こちらのこともどんどん発信していくべきだと思いますよ!

でも、別にゴミをボランティアで拾って欲しいとは思っていませんよ。
そういうことはこちらも求めていなくて、同じように向こうから申し出ていたわけでもなくて。
こちらとしては普通に、これまで通り、ゴミをゴミ箱に捨ててくれれば有難いですね。


♦淡島神社でのお供え物の件

 工藤
淡島神社で、アニメグッズが置かれたことが一時期ネットで話題になり、置いた方が取りに来られたといったことがあったようですが、あれはどうなりましたか?

   

伊藤さん
別に、その件でしたら神社へのお供え物ですから、特に気にしてないですよ。
あれは最初に誰かが置いたんでしょうね!で、人間の心理でそれに続いてどんどん増えていったのでしょう。

あの時は「台風が来てて、飛んで行っちゃうよね」ということで、台風をやり過ごすためにお供え物の場所をずらしていました。
そうこうしているうちに、ネットでこれが話題になっちゃって『悪い』という意見が多くなったわけですね!

人形を回収しに来た人にも言ったんだけど『別に悪い行為ではない』んだよね!
アニメファンの方の間では『悪い行為』となったんだろうけども
一般的に神社はお饅頭だろうが、お人形だろうがお供え物を置く場所ですからね。

釘を刺したり、接着剤でくっつけてしまうというのは良くないと思いますけれども。
うちのスタンスとしては神社は皆のもの神様のものですから、お供え物がどんなものであろうが神社を傷つけなければ否定はしません。

ちなみに神社では一年に一回は大掃除をしていますよ。そのときにお供え物を完全に取り除くんです。

 

神社がそのまま(元の構図)の姿であって欲しいというのはファンの人の勝手な思いであり、それは尊重はしますが他者に押し付けるものではないと思っています。我々だって毎日綺麗にしているわけではないですし。
皆には、お人形もお供え物だという認識をもって欲しかったですね~。

この件で、『ネットっていうのは怖いな』と思いました。

 

♦今後やって行こうと思っている取り組みはあるのか?

伊藤さん
コスプレのイベントは、ラブライブが放送されているからと考えている人が多いですが実は以前から行っていました。
あのイベントはうみねちゃんからの発信でした。
これはキャラクターを一個作ろうというオーナーのアイデアからスタートしてるんです!

うちは動物を飼育している施設ですから、動物にちなんだイベントを行っていくというスタンスはこれからも崩さないですよ!

ですからカエル館では、日本一のカエルが見られる場所を引き続き目指しています!
カエルを集客につながるアイテムとして、活かしていこうと思っています。

     

淡島水族館に関しては、

近代的な都会の水族館とは別で、自然と隣り合わせの田舎の水族館でありたいですね。

 

♦従業員がここに関する情報を発信することについて

伊藤さん
中傷を行ったり、嘘をつかないのであれば問題ないです。皆それぞれ夢を持っていますからね。
うちはスタッフに好きなようにさせてます。

ただ、従業員の情報は最低限のコントロールをしていますよ!

例えば、ペンギンが卵を産んでそれをスタッフが発信したとします。
しかし、血統を守るために会議で卵を停止すると決定した場合、非常に残念なことになりますよね。
ですから最低限の情報のコントロールは徹底しているわけです!

ルールがあるからブログで自由に情報を発信できないという同業者がいますが、私は寧ろルールがあるからこそ自由に発信できると考えています。
ルールの中で自由にやれる環境はいくらでも自分で作れますからね。

 

♦その他

伊藤さん
あわしまマリンパークのツイッターはだいたい2013年の5月ごろからですね。
2013年の3月にはウミウシをテーマにしたキャラクターを応募して、その中で人気投票を行いました!
あ!うみねが人気投票で選ばれたわけではありませんよ。

キャラクターそのものは人気投票上位から、オーナーと館長である私、そして従業員で決めました!

(淡島公式HPより)

うみね(左)おとめ(中)は姉妹で、ましろ(右)は友達です。これ(設定)はもう思い付きでやってますね。

ましろのグッズについてはコスプレアイランドに合わせて、クリアファイルとステッカーを販売する予定ですよ!またおとめちゃんのステッカーも追加されます。他には、ラバーストラップやマフラータオルも増やしていこうかなと思ってます!

あわしまマリンパークのオリジナルキャラクターは…

◇うみねちゃん◇ましろちゃん◇おとめちゃんです!

こちらもアニメに関する商品と同様に宣伝しています!

 

♦このレポートを読まれる方へ 

伊藤さん
興味を持ったら是非、一回は来て見てリアルに体験して欲しいですね!

 

 

取材録・甘味処 松月

――八月の二十三日、火曜日。
当レポート制作班のK、Tの両名は夏の日差しが降り注ぐ内浦の地へと訪れた。
本日の目的は近日、連日にわたって大盛況の松月という甘味処への取材。
忙しい中、定休日にも関わらず我々二人のために時間を空けてくれたのである。

 

 

 

――午後四時、店を訪れた我々を迎えてくれたのは
当店三代目店主の瀬川公伸さん。
名刺を交わし、席に着き、ここに取材が開始された。

 

☆甘味処松月について――

瀬川さん
「私で三代目になるんですけれども、もともと松月は祖父が立ち上げたお店で、元々は裏の通り、旧道の方がメインの通りで、そこに店があったんです。
今この店があるこの道、昔は海だったんです。それが埋め立て地になって。
今から十四年前に機会があって、この場所にお店を建て替えたんです。
二十の頃にお店を継いだんですけれども、東京の方でもともと洋菓子を学んでいまして。本格的に和菓子を学んだのはこっち(沼津)に帰ってきてからですね」

 

☆現在人気商品について――

♦みかんパウンドケーキについて

瀬川さん
「みかんパウンドケーキのほうが先に生まれたんですね。おおよそ十年前くらいにこの地域名産の寿太郎みかんを使ったお菓子を作ってほしいとお願いされまして。

生産農家の奥さんのグループがあるんですが、そこで元々みかんを使ったパウンドケーキをイベントとかで出していたんです。
それを元に、ウチで新しく作りまして、それが寿太郎パウンドなんですね

元々はこの大きい方のパウンドケーキでやっていたんですけれども、お客さんからの要望があって、ミニパウンドの方も販売し始めたんです」

 

♦みかんどら焼きについて

瀬川さん
「どら焼きの方は、特産の寿太郎みかんを使ったのがパウンドケーキ一つだけじゃなんというか
惜しいなということで、パウンドケーキが洋菓子だから、じゃあもう一つ和菓子から何かをって考えたんです。

そこでですね、前々からうちでは
どら焼きが評判よかったのでどら焼きのあんこにみかんを練りこんで作ったんですよ

 

 

☆ラブライブサンシャインとの関係――

♦いつごろからお店のオファーが来ていたのか

瀬川さん
「前の取材(新聞など)でもお話ししたんですけれども、どういう形でオファーがあって、どういう形で実現したのかについては、はっきりと覚えていないんです。
元々そのアニメが何だかわからないし、アニメに興味もなかったもので……

しかしだんだんとお客さんが増えてくるようになって、うちがどのように使われてるんだろうと気になることもありましたね。
お客さんからは『三人の女の子がここで働いてるんだよ』って話を聞きまして、自分はアニメでそういうシーンがあるのかって思ってました。

だから雑誌で情報が載ってたとか、アニメの前にCDが出ていたなんて話も全然知らなくて。
それで、件のCDが発売された後、ファンの方からCDをいただきましたけれども……申しわけないことにずっと聞いてこなかったんですよ。
だんだん盛り上がってきたときにようやく聴きまして、そこでどんな形で登場してるか知ったんです」

 

 

♦いつごろからファンサービスが行われたのか

瀬川さん
「ある時ファンの方に『ここってアニメ感が全然ないよね』って言われまして。
最初は『何言ってるんだろう?』って思ったんですけどね、三ノ浦総合案内所さんの方でいろいろ飾ってますけど、最初の方はなにを飾っているかわからなかったですし。
でも、次々といろいろなところからお客さんが来るようになって、ウチもかかわっているというのもあって、ファンの方々にアドバイスをもらいながらコーナーとかも作ったんです」

 

♦新商品カンカンみかんタルトについて

瀬川さん
「カンカンみかんタルトは完全に思い付きで出た商品で。
なかなか忙しい中、色んなケーキが試作できなくなってしまったので。
でもタルトなら、生地を焼いておけば使えるので、本当にみかんが好きならと。
8/1が千歌ちゃんの誕生日なので、それに合わせる感じで売り始めました」

 

 

☆アニメで盛り上がるまでは――

瀬川さん
「アニメで盛り上がる前は、『何かしなくちゃ、何かしなくちゃ』とそれぞれみんな口では言うんですけど……結局何をしていいかわからなくて。
でも、それで盛り上がった今も、地域としての盛り上がりは『これでいいのかな』と思うこともあります。
でも、今のことをとにかく、一言で言い表すなら『アニメの力はすごいな』っていうことですね。
もうそれしか出てきません」

 

☆ファンの人達――

♦ファンの熱意

瀬川さん
「前々から熱心なファンの方が、『彼女たちの誕生日を祝うためにバースデーケーキを作ってくれ』と注文していてですね。
その時にキャラのことを知らないままじゃいられないなって思ったんですよね、『知らない』って言ってられないなって。
皆さん本当に凄いですよね、毎週遠いところから、いろいろなところから訪れてくれて」

 

♦お店の現状

 

瀬川さん
「前々から土日にお客さんが多かったんですけど、七月位からドカッと増えて。
お盆とかいろいろなイベントと重なるのもあって、作れば売れる状態で製造が間に合わなくなるほどです。
みかんどら焼きやパウンドだけじゃなくて、ほかの商品も買ってくれますし。
製造が間に合わないのもあって、三時四時には品物が売り切れちゃうから開けててもお客さんに申し訳ないので、今(八月当時)は早いけれども五時閉店にさせていただいて、開店の方も一時間遅くさせていただいています。
喫茶コーナーの方も、アニメで使用されてからは待ちの方が多くなりましたね。」

※現在も営業時間は短縮中である

 

 

☆これからの展開――

瀬川さん
「これからなんですけれども、コラボしたお菓子をいろいろ、考えている最中で。
はっきりとは言えないけれども、キャラクターのイメージに合わせたものを作ろうとしています。基本は寿太郎みかんを使いつつで。
できるだけ、お客さんに喜んでもらえるようなものを作っていきたいです」

 

☆最後に――

瀬川さん
「一度、来たことない方も含めて寄っていただければと。
寄っていただければ内浦の良さを発見できると思いますので、ぜひ内浦に訪れてみてください」

瀬川さん、ありがとうございました!