東海バス

私達はバス事業所の方にも取材を行った。
なぜなら、ラブライブサンシャインが沼津の聖地になるということはバスの利用客が増えるということである。
また、主人公の千歌達の交通手段としても扱われているからでもある。

そんな私達のインタビューに株式会社東海バスオレンジシャトルの取締役杉山善一氏(写真あり)
と副支配人の清水修氏が答えてくれた。

 

 

・アニメについての感想やこんな事があってよかったと言うことはあるか?

杉山氏
アニメについては前もって教えてもらっていました。
世界に二百万人のファンがいると聞いていたので、地元の人以外にもファンや海外のお客さんが増えてきました。
先日も中国の親子連れの人達が聖地巡りをして写真を撮ったり、いくつかの舞台になったポイント(例:松月等)に行っていました

清水氏
最初話を頂いた時にはこれほどまで盛り上がるとか、そういったファンの方が沼津にこれだけ来てくれるということに半信半疑なところもあって、正直言って想像していませんでした。
実際に始まってみたら日本でも遠くの方や海外の方も沼津にきて頂いて、これだけこのアニメに熱烈なファンが世界中にいることに正直いってびっくりしています

 

どちらも好意的な意見であり、当初の予想以上の人気に驚いていた。ニュースではアニメに対して辛辣なコメントやあまり良くないイメージがあるようだが、実際は違うようだ。

・今の決定的な変化
メリット

  1. ラッピングバス以外にも聖地巡りで内浦方面に行くバスが1時間に二本ずつしかないため、そのバスの利用客は増えている。
  1. 聖地巡りの場所の問い合わせがあり、その場所の案内と合わせて、どのバスに乗るかも説明しているそうだ。
  1. 沼津駅の8番線のポールにアニメのものが貼ってある。
  1. 淡島マリンパークさんと三津シーパラダイスのバスと入園料のセット券(淡島マリンパークは600円くらい安くなっている)の利用者がすごく増えている。

「おそらく淡島さんも聖地巡礼の一つになったり、船がラッピングしている関係で非常に訪れる人が多くなっています。
また、三津シーパラダイスも舞台の中の一つになっているのでそちらの関係でも非常に増えています」
と杉山氏は語る。

まだ放送されていない部分であっても情報がはいって、そこに訪れる人が増えているそうだ。
(例:淡島の淡島神社がアニメに出て、淡島神社はどこにありますかなどと問い合わせがきた)

 

  1. 今までは生活路線として使っていた人達がバスを足として買い物や病院、通勤、通学に使われていたところが、観光客が訪れる事によって、観光地としての点と点の聖地をつなぐ線の役割にもなっているそうだ。
  1. 清水氏は
    「SNSを見て来る方が増えてきています。また、アニメの関係のバスを運行することによってそれが検挙に現れています」
    と言っていた。
  1. 地元の人達にとっては、前はシャッターが降りていて、店舗として使っていないところが、今はシャッターを開けて、かき氷を売るなどの新しい商売をやっている。
    町が活気づいているので、地元の人達は歓迎している。

・デメリット
地元の年配の方は10時55分のバスに乗るつもりで、たまたま早めにきて、並んでいた。
最初だったので席に座れたが、他の地元の方が乗れない場合があった。
また、観光客によりバスの乗客が増え、身動きがとれないほどの状態になる場合もある。
それが「地元の方に不便をかけているのかな」と杉山氏は思っている。
アニメによる経済効果にもデメリットは存在する。しかし、それ以外にメリットが大きいのは無視できないだろう。
ちなみにだが、ファンのマナーが悪い等というものは一切聞かなかった。

 

  • 観光客への取り組み
  1. 杉山氏より

「アニメに会わせてラッピングバスを出して、外と中にサインをしてもらったり、江梨行きのバスは増発を出しています。地元の方達もお客さんが来る事によっていろんな商売したりと地元の人にとってはありがたいのではないかと思います」

  1. 東海バスの方では海外の観光客に対してのツアーはない。ツアーはないが、わかりやすいように乗り継ぎができるラッピングバスや聖地巡礼の場所にいける時刻表をお客さんの方に渡しているそうだ。
  1. ヘッド板に英語、中国語、日本語の三ヶ国語がある。
  1. 下の所に路線図を貼っており、自分達の今いるところのバス停がわかりやすいように赤で記している。
  1. ホームページでバスの案内やタイムテーブルの関係等を載せている。

・フリーパスはどうなのか?

一日乗り降りできるフリーパスという形では行っていない。
今はセット券(淡島マリンパークの入園料とバス、三津シーパラダイスの入園料とバス)があるためそちらをお勧めしている。
フリーパスはこれから一年を通してずっとお客さんが見込めるかどうかによって考えるつもりのようだ。

 

  • オススメ
  1. 来年の2月15日が東海自動車の創立100周年(ちなみに本社は木炭車という車から始めた。車体後部に設置した木炭ガス発生炉で、木炭を燃やしその際に発生する一酸化炭素を燃料に走る車である。詳しくはネットにて検索、検索!)になる。それにあたり、夢ちゃんバスというラッピングバスや伊豆半島のバスを運行する。
  1. 他にも沼津地区、三島地区、伊豆半島の各地区のハイキングコースを作り、そうした所をあるいてもらうイベント、淡島のセット券のようなものなどを作り、お客様方にご案内しているところだそうだ。

・読者の方へ

杉山氏より
「アニメの放送が第一回目の9月で終わると思いますのでぜひ、沼津の内浦を訪れた方は自然、特に海、それから食べるもの、宿等があったりして非常にいいところです。ぜひ来て頂いて、素晴らしい沼津の地域を旅の中で満喫して頂ければ良いのかなと思っています」

清水氏より
「今回のアニメに限らず、ここ数年、この沼津や三島、この辺の地区というのは今新しい観光スポットがどんどんできています。例えば沼津港の水族館だったり、三島の大吊り橋だったり、また沼津駅前のラクーン等、今この新しい感覚の観光スポットというのがどんどんできていています。我々も観光業なので、そこに出向き、実際に中心になって働いている方といろいろと話したり、仕事したりする機会があります。実際に取り仕切っている方は年齢的に若い方が多く、一生懸命やっています。この地域というのがどんどん変わっていくところにあるのではないでしょうか。これから、非常に魅力的な地域になると思いますので、ぜひ皆さんもできればバスを使ってこちらの地域を訪れて頂きたいです」

 

「歴史に関わる所や自然がたくさんあるのでまだまだいいのでこういうところをアピールしていくと魅力的な町になるのでは」とも思っているようだ。