取材録 あわしまマリンパーク

皆さんは静岡県沼津市の、あわしまマリンパークという水族館をご存じだろうか?

島の中にある独特な水族館で日本一と言われるカエル館を有している。また、魚に関する親切な案内が館内にあふれており、コスプレイベントなども行っている。盛り上げるのに工夫を惜しまない水族館であるから誰でも楽しめること間違いなしだろう!

実はこの水族館、ラブライブサンシャインの舞台になっていることから
大いに盛り上がりを見せている!
しかし我々はその実態を詳しくは知らなかった。
そこで、現地の職員さんはアニメの影響についてどのように思っているのか、それを知るべく我々は、9/17に取材を行った。

このレポートは当アニメ及び舞台となった地域に興味がある方にはぜひ読んで頂きたい。

 

取材に協力して下さった方……あわしまマリンパーク館長の伊藤裕さん

 

♦あわしまマリンパークがアニメの舞台になったことの感想

館長の伊藤さん:
中学校が高校に。安田屋さんが主人公の実家になっていたりしますね。
また、うちのカエル館がダイビングショップ、

淡島ホテルもキャラの家になっていたりしますね。


登場人物の9人のうち、2人がたまたま淡島に関わっていうということは、我々は後から知りました。
作っている人達がお客さんとして入場券を買って、事前に下見に来ているんだと思うんですよ。
そして、設定は下見をしていた中で決めたものではないですかね。

うちが『これはコンセプト(設定の)が違う』とかいう立場ではないと思っているし、そのような話をされたこともないです。
私としては、アニメの中で使われた情景がベストだったというだけだと思っています。
これまでテーマパークとしての運営は一生懸命やってきましたが、何もドラマやアニメの舞台になろうと意識してやってきたわけではないですね。
ただ、テーマパークをやっていて良かったと思いましたよ。

アニメの影響でお客さんが増えたことは嬉しいですし、アニメには感謝しています。
ただ大変なこともあって、雇用を増やさなければならなかったり、在庫を切らさないようにしなければいけません。

コラボ限定チケットが切れたり、クリアファイルが完売することがありました。
1年もつと考えていたものが2か月で完売したんです。
何も計算していなかったわけではないのですが、アニメの影響はその想像をはるかに超えてしまったんですね。

物を欠品させてしまうというのは良いことではないので、これは反省点としています

 

♦聖地巡礼について

伊藤さん
「聖地巡礼」という言葉は新しいけど、昔から小説の舞台になった場所へ人は足を運んでたね。
だからこれは今になって始まったものじゃなくて、前からある文化だよね。
アニメも徐々にこうなってきたのだと実感してます。

昔のアニメはドラえもんとかコナンとか、想像はつくけど舞台となった街については明言してなかったですね。
それが今は「地名」を大々的に打ち出すようになってきましたから時代の流れだと思います。

この人気は場所だけじゃなくてそのアニメが面白いからじゃないですか?
国民的アイドルになってきているから、皆アイドルの聖地行きたくなるよね。

ラブライブの聖地巡礼で経済効果は100%ありますよ!!

 

♦客層について変化は感じられるか

伊藤さん
普段なら晴れの時に80~100人しか来ないけれども、今は天気が悪い日も人が多く来てますよ。
普段のお客さんにアニメのファン層が加わってるような実感を受けます。
おかげで、元々は年配の方がほとんどだった淡島ホテルにも若い層が増えました。

ホテルに泊まられるお客さんは基本、外へ出てこないんですね。
中で楽しめるコンセプトとなっていて、だいたいは室内で美味しい食事をされて、美術品を楽しんでゆっくりされています。

しかしこの頃は、変化が見られましてホテルのお客さんも外に出て、淡島マリンパークを楽しんでいますね!

 

♦楽しんでもらうための工夫について 

伊藤さん
ファンの方が沢山来ているから、楽しんでもらおうと、テンションが上がることをしようとしてきました。
要は遊び心ですね!

最初はラッピング船について正直悩みました。
もしかしてつまんなくなるかな~という不安も思ったんですが、アニメを知らない方にも「これは何のキャラクターだろう?」とか「ここがこのアニメの舞台なんだ~」と興味を持ってもらえるかな~と考え直しました。

他には大々的には宣伝してませんがアニメではダイビングショップになっているカエル館で従業員がダイビングショップのキャラと同じウェットスーツ姿にしたり。これについては「似たようなスーツがあるんだー」と気づいてくれる人がいればいいかなーと思いますね。

つまりこういった形で、自分たちも楽しみながらファンの方の為に面白くしようとしてます。

 

♦観光客のマナー現状について

伊藤さん:ファンの方がマナーを守ってくれているから、こちら側 (舞台となった側)もマナーを守ろうと思っています。

気になることは、船が着いた時にお客さんの動きが止まってしまう事ですかね!
乗りのお客さんが待っているので、写真を撮りたいのは分かりますが、船から早く降りてほしいことですね。
ですが、撮りたいという人の気持ちもよく分かりますよ、だってお客さん急いで撮って、急いで降りてくれていますもん
安全を確保しなくちゃいけないから、「船に乗ってる間に撮ってもいいんだよ」とも
とてもじゃないですが言えませんからね。

怠慢でゆっくりとしているような人については、現状はまだ見かけていませんけれども。
いずれ現れるかもしれないこれも含めて、乗り降りについてはどうしようか、皆で考えていますよ。

ゴミが増えるんじゃないのかと言われていたのですが
これは他の聖地となった観光地が巡礼客によって荒れてしまったといったネットの情報が先に来ていたことによる懸念なんですよ。
でもゴミのマナーで困るといったことは一切ありませんでした!
お客さんが増えているから、勿論ゴミの量は増えているんだけど
ポイ捨てなどの良くない捨て方は今のところないですね。

寧ろゴミを拾ってくれる人もいたり、いっぱいになったゴミ箱からスタッフの元に持ってきてくれるファンの人たちがいるのですがね
こちらのこともどんどん発信していくべきだと思いますよ!

でも、別にゴミをボランティアで拾って欲しいとは思っていませんよ。
そういうことはこちらも求めていなくて、同じように向こうから申し出ていたわけでもなくて。
こちらとしては普通に、これまで通り、ゴミをゴミ箱に捨ててくれれば有難いですね。


♦淡島神社でのお供え物の件

 工藤
淡島神社で、アニメグッズが置かれたことが一時期ネットで話題になり、置いた方が取りに来られたといったことがあったようですが、あれはどうなりましたか?

   

伊藤さん
別に、その件でしたら神社へのお供え物ですから、特に気にしてないですよ。
あれは最初に誰かが置いたんでしょうね!で、人間の心理でそれに続いてどんどん増えていったのでしょう。

あの時は「台風が来てて、飛んで行っちゃうよね」ということで、台風をやり過ごすためにお供え物の場所をずらしていました。
そうこうしているうちに、ネットでこれが話題になっちゃって『悪い』という意見が多くなったわけですね!

人形を回収しに来た人にも言ったんだけど『別に悪い行為ではない』んだよね!
アニメファンの方の間では『悪い行為』となったんだろうけども
一般的に神社はお饅頭だろうが、お人形だろうがお供え物を置く場所ですからね。

釘を刺したり、接着剤でくっつけてしまうというのは良くないと思いますけれども。
うちのスタンスとしては神社は皆のもの神様のものですから、お供え物がどんなものであろうが神社を傷つけなければ否定はしません。

ちなみに神社では一年に一回は大掃除をしていますよ。そのときにお供え物を完全に取り除くんです。

 

神社がそのまま(元の構図)の姿であって欲しいというのはファンの人の勝手な思いであり、それは尊重はしますが他者に押し付けるものではないと思っています。我々だって毎日綺麗にしているわけではないですし。
皆には、お人形もお供え物だという認識をもって欲しかったですね~。

この件で、『ネットっていうのは怖いな』と思いました。

 

♦今後やって行こうと思っている取り組みはあるのか?

伊藤さん
コスプレのイベントは、ラブライブが放送されているからと考えている人が多いですが実は以前から行っていました。
あのイベントはうみねちゃんからの発信でした。
これはキャラクターを一個作ろうというオーナーのアイデアからスタートしてるんです!

うちは動物を飼育している施設ですから、動物にちなんだイベントを行っていくというスタンスはこれからも崩さないですよ!

ですからカエル館では、日本一のカエルが見られる場所を引き続き目指しています!
カエルを集客につながるアイテムとして、活かしていこうと思っています。

     

淡島水族館に関しては、

近代的な都会の水族館とは別で、自然と隣り合わせの田舎の水族館でありたいですね。

 

♦従業員がここに関する情報を発信することについて

伊藤さん
中傷を行ったり、嘘をつかないのであれば問題ないです。皆それぞれ夢を持っていますからね。
うちはスタッフに好きなようにさせてます。

ただ、従業員の情報は最低限のコントロールをしていますよ!

例えば、ペンギンが卵を産んでそれをスタッフが発信したとします。
しかし、血統を守るために会議で卵を停止すると決定した場合、非常に残念なことになりますよね。
ですから最低限の情報のコントロールは徹底しているわけです!

ルールがあるからブログで自由に情報を発信できないという同業者がいますが、私は寧ろルールがあるからこそ自由に発信できると考えています。
ルールの中で自由にやれる環境はいくらでも自分で作れますからね。

 

♦その他

伊藤さん
あわしまマリンパークのツイッターはだいたい2013年の5月ごろからですね。
2013年の3月にはウミウシをテーマにしたキャラクターを応募して、その中で人気投票を行いました!
あ!うみねが人気投票で選ばれたわけではありませんよ。

キャラクターそのものは人気投票上位から、オーナーと館長である私、そして従業員で決めました!

(淡島公式HPより)

うみね(左)おとめ(中)は姉妹で、ましろ(右)は友達です。これ(設定)はもう思い付きでやってますね。

ましろのグッズについてはコスプレアイランドに合わせて、クリアファイルとステッカーを販売する予定ですよ!またおとめちゃんのステッカーも追加されます。他には、ラバーストラップやマフラータオルも増やしていこうかなと思ってます!

あわしまマリンパークのオリジナルキャラクターは…

◇うみねちゃん◇ましろちゃん◇おとめちゃんです!

こちらもアニメに関する商品と同様に宣伝しています!

 

♦このレポートを読まれる方へ 

伊藤さん
興味を持ったら是非、一回は来て見てリアルに体験して欲しいですね!